新規母銭からの鋳造
手類銭考掲載品ほか |
繊字元豊手は、静泉庵 冨永昌良先生が提案された手類銭で、穴銭入門 手類銭考
中巻には、
「銭型極小様にして極薄肉・広穿、面背共に細縁、細郭をなす。銭文繊細で、特有の書風を有する品を一般とする。「繊字至道手」の品と同書の物や、本炉銭と同書の品も、製作的共通性を観つつ当手とした。(中略) 銅色淡黄乃至淡黄褐色にして硬い金質の物が多い。(後略)」と解説されています。
手類銭考では、基本的には新規母銭による品を当類に充てています。当手の書体の特徴としては、寶字が独特で三王宝であり、貝画にも特徴ある種類が多いことが挙げられます。また、殆どが北宋銭の面文を踏襲しています。
開元手などと同様に、同炉で直写しされたと思われる銭が存在しており、異論は多いと思われますが、同手と愚考して本欄に掲載しました。
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咸平元宝(手類銭考 No1)
手類銭考の位付は十三になっており、実際、少数派です。
なお、当欄の写真は全て25mm×25mmです。
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咸平元宝
手類銭考 No1掲載品の小様末鋳銭と思われます。円貝宝になります。
小様銭の存在は多いです。
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元豊通宝 繊字 篆書(手類銭考 No3)
繊字元豊手の代表銭に相応しく、存在数は最も多く、美銭に恵まれています。
面文はかなり手が加えられており、宝字は三王宝です。
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元豊通宝 繊字 篆書 小様
同書体の品が鋳写された小様末鋳銭です。
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元豊通宝
面文はかなり加刀されています。背は綺麗に改製されており、別手の可能性があります。
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元豊通宝
濶縁で、覆輪されたものと思われます。当手の特徴から外れますが、書体の共通性から暫時掲載します。
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元豊通宝
面文は三王宝となっているほか、加刀されています。背も改製されており、別手の可能性があります。 |
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元豊通宝 極小様
面文は三王宝となっています。上段に掲載した銭の末鋳銭の可能性があります。 |
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元豊通宝 降豊 篆書(手類銭考 No4)
宝字は三王宝となっています。存在数は、元祐通宝痩字細縁篆書と同程度と思われます。 |
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元祐通宝 痩字広穿 真書(手類銭考 No7)
元豊通宝繊字篆書と共に存在数は多く、美銭が多いです。 |
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元祐通宝 痩字広穿 真書 小様
上段掲載品を写した銭と想定されます。 |
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元祐通宝 本銭手 真書 小様
手類銭考No9の品が写された銭と推測します。背は改製されており、別手の可能性があります。 |
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元祐通宝 痩字 細縁 篆書(手類銭考 No10)
手類銭考では位付十五ですが、存在数はこれよりやや少ないと思われます。三王宝です。
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紹聖元宝 小字 篆書(手類銭考 No13)
宝字は三王宝、円貝宝となります。
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紹聖元宝 小字 篆書 小様
上段掲載の品が写された末鋳銭と推測されます。 |
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天聖元宝 薄肉 細縁 真書
手類銭考 No15に似ており、この銭は小ぶりで背濶縁、面文に小異があります。
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天聖元宝 薄肉 細縁 篆書(手類銭考 No16)
三王宝です。
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皇宋通宝 篆書
手類銭考に不載品ですが、宝字は三王宝です。背は改製されており、別手の可能性があります。 |
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皇宋通宝 篆書 小様
上段掲載の品を写したと思われる末鋳銭です。この個体では背が改製されていませんが、改製された銭の方が多く存在します。 |
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直写しの系統 |
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元豊通宝 篆書
大字類写しと思われます。
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