東武3070系 サウンドギャラリー
   
                 

 東武3070系は旧53系が種車で、同車が装備していた名機TDK-528モーターを引き継ぎました。TDK‐528モーターは5310系オリジナル装備品ではなく、旧53系の電装品の由来は少々込み入っています。
 TDK‐528モーターは、3050系が装備していたHS-266Aモーターと同じく110kw出力でしたが、モーター音は全く異なっていました。ぜひ3000系、3050系、3070系と聴き比べをやってみて下さい。3車種は互いに全く違う走行音であることが実感頂けると思います。

     その1  

         平成5年8月11日
    会津鬼怒川線 上三依塩原→男鹿高原 357レ
    モハ3574  編成 3574-3674
    日光鬼怒川宇都宮地区で活躍した3070系ですが、本数は少ないながら
    朝と夜間に野岩線の運用が開通当初からあり、野岩線の開業一番列車も3070系でスタートしました。
    地味な3000系列の歴史のなかで、当に花を添える出来事でした。
    収録の列車は、鬼怒川温泉街で勤務している人たちの通勤帰宅列車として利用されていました。
    3070系の野岩線運用は、朝が上りで夜が下り列車のため、首都圏のマニヤには
    非常に乗りにくい列車でした。私もこの録音後、会津田島での一泊を余儀なくされています。
    3000系や3050系とは全く違ったモーター音、
    3070系のモーターと歯車比は5700系と同一ですが、イコライザー台車とゲルリッツ台車の違い
    制御装置が異なる点などから、乗り心地や走行音には経庭の差が感じられます。
    「ガツンガツン」という音がしきりに聞こえてきますが
    これは車体が上下に激しく揺れる時に、床下からしばしば響いていました。 
    なおこの録音を行なった時期には、3070系のブレーキ制輪子は昔ながらの鋳鉄製ではなく
    新型に取り替えられた後のため、減速時の「ジャー」という音は僅かです。
    真夏の録音ですが、夜間の野岩線はひんやりとしていて、扇風機も回っていませんでした。
    野岩線の勾配をフルノッチでぶっ飛ばしていた、3070系が偲ばれます。

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