文久永宝 細字と繊字 背波の違いについて

 文久永宝の細字と繊字はよく似た書体ですが、太い字で「久」字の初画に爪が無いものは細字、細い字で爪があるものは繊字と、明確に分ける事ができます。ところが「久」字に鋳溜りでもあると、両者の区別は付き難くなります。特に細字狭頭久は削字されているため細い字となっていて、繊字との区別が付き難くなります。しかし、細字や細字狭頭久の系統と、繊字の系統は背波が僅かに異なっており、慣れれば背を見ただけで両者を区別することができます。

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                     繊字                  細字 

 背波の判り易い違いは、所謂「後波」です。繊字は、郭から後波までの間隔が細字より若干に長く、特に細字狭貝宝でその傾向が著しく感じられます。さらに、後波の左半分が僅かに昂がり、波が仰いでいるとも言えます。上の写真で矢印を記した部分が、この波が僅かに昂がる部分です。これに対して、細字は郭と後波の間隔が比較的狭く、波の左側が昂がるといった特徴がみられません。この特徴は細字狭頭久でも同じです。両者とも雑銭ですから、実物で比較された方が判り易いかもしれません。


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                     繊字                  細字 

 繊字系統は、細字の削字によって産まれた銭と一般には認知されていますが、実際は別個の原母銭から派生した別系統の銭であることを、ここでは提案するものです。
 なお、細字垂足宝や細字跛宝刔輪なども、それぞれ背波は別個の特徴を持っています。


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