6000系
     6000
 
 昭和39年から昭和41年にかけて登場した、日光線快速列車用の2扉クロスシート車です。McTcの2両固定編成が22本の総勢44両の陣容でした。快速用のため、クハ全車にはWCの設備がありました。冷房は最後まで搭載されませんでした。床下に大型MGを吊るスペースは無かったとも言われています。
 機器面では、台車がTRS-63M(FS-357)で8000系台車の1ロット違いの類似品、モーターが130kWのTM63で8000系と同等品、制御装置はMMC-HTB-10Dで1720系と類似品、主幹制御器はMA型BDF-213、CPはクハにDH-25Dを2基搭載でした。走行音は8000系に似ていますが、制御装置が異なり加速度も低く設定されており、モーターは永久直列に配線され電気ブレーキを装備していることなど、明らかな違いが感じ取れます。
 浅草から日光・鬼怒川温泉地域を結ぶ、運賃のみで気軽に乗れる快速列車として主に4両編成を組み俊足ぶりを発揮しました。また、有料急行である快速急行にも充当されました。地味でしたが、まさに東武本線の名脇役でした。現在の6050系より11編成少なく、日光線ローカル運用の殆どは78系や3070系に任せて6000系は快速主体の運用に就いていました。当然ながら宇都宮線への定期運用や、団体臨時列車の運用はありませんでした。昭和61年の野岩鉄道開業に際しては東武快速が乗り入れすることとなりましたが、同線はトンネルが多い事から防災基準をクリアすることが要求され、周知の通り、昭和60年から61年の間に現在の6050系電車へと全車更新されました。更新が行なわれた期間には、写真のように6000系と6050系の混結が見られましたが、こうした期間は僅かで、あっという間に更新が進み6000系は姿を消してしまいました。6050系には台車、モーター、CPが流用されましたが、制御装置、主抵抗器、主幹制御器は引き継がれませんでした。 


                               改番表
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                                                       6000系の思い出

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