京北線
南葛線と平行して埼玉県南部を横断する送電線路で、旧大同電力により昭和5年に建設された線です。終点は埼玉県草加市と川口市の境にある京北変電所となっています。鉄塔の形態は、懸垂型鉄塔は平凡ですが、耐張型鉄塔は塔頂部が深く、やや古臭い雰囲気を出しています。10年位前は、電源開発の所沢工務所付近から埼玉県三芳町近辺まで、群馬幹線の原形鉄塔を乗っ取り「京北線」と称しておりましたが、現在はどうなっているのでしょうか。
京北線は、ここ20年位の間に各所で立て替え工事が断続的に進められ、原形で残る旧型鉄塔は本当に数える程に減ってしまいました。
お花の農園の中に立つ、京北線129号鉄塔
京北線の耐張型鉄塔には独特の雰囲気があります。
奥の鉄塔は130号。5、6年前に建替えられた記憶があります。
すらりと背が高い、京北線138号鉄塔
こちらも長身な、京北線139号鉄塔
こちらは懸垂型鉄塔です。138、139と、この2基の鉄塔だけ背が高い理由は何故でしょう。それは、かつてこの地を猪苗代旧幹線が通っていたので、それを跨ぐ必要があったのです。昭和47年、春日部線が建設され、猪苗代旧幹線のルートを引き継ぎました。しかし春日部線を京北変電所に繋げるため、同変電所に近い安行地区では春日部線は新ルートを開拓し、この地区の猪苗代旧幹線ルートは放棄され、送電線はなくなりました。現在、猪苗代旧幹線を跨いでいた旧い京北線鉄塔に、その名残を遺しています。古鉄塔ながら天賦の長身を活かして建替えることなく、いつまでも活躍していて欲しいものです。
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