東武3000系 サウンドギャラリー
   3130
              3406-3106+3430-3330-3230-3130  大宮公園-大和田 昭和63年4月6日   

 嘗て東武でデッカーといえば32系電車が余りにも有名でした。これらの電車のEE社製モーターは3000系に継承され、平成時代までお客を運び続けました。70年近くも東武で働いた、今はもう聴く事の出来ない舶来品DK-91/B型モーターの唸りをステレオでお愉しみ下さい。3000系は車輪のフラットがひどかったため、乗車経験のある方は、フラット雑音にモーター音が掻き消されて物足りなく感じられた方も多かったと思います。しかし状態の良い車は、実に良いサウンドを響かせて野田線を走っていました。いくつかの車両をアップしますので、東武3000系は大体こんな感じで走っていた、という事を実感いただけると思います。

     その1

         平成元年8月14日
    東武野田線 大和田→七里
    モハ3121  編成 3121-3221-3321-3421+3129-3429
    夕方の録音 この車は当時、比較的フラットが少なく、標準より良い音で走っています。
    この録音で特筆されるのは、晴天にも関わらず発車時に若干空転していることです。
    雨天時も含め3000系の空転は珍しい現象でした。
    「ブーン」という扇風機の音も入っています。熱い空気をかき回すだけの扇風機。
    座っていても暑く、立っていても暑い、真夏のうだるように暑い3000系車内が思い出されます。
    途中の、「ゴゴゴー」という音は、3000系同士のすれ違いです。
    「ブンブンブンブン」という唸りが聞こえますが、古台車車輪に共鳴した車体の共振のようです。
    3000系に乗っていると、ロングレール区間でよく聞く事が出来ました。
    ジョイント音から、時速60キロ弱のスピードでのんびり走っていた事がお判りいただけると思います。

         その2

    昭和61年3月30日
    東武野田線 東岩槻→岩槻
    モハ3113  編成 3113-3214-3314-3213-3313-3413
    東武3000系の装備していたDK-91/Bモーターは小出力だったため、モーター音は小さめでした。
    当時モハ3113はモーター音が大きく、特にモハ3313とモハ3311は今風に言えば爆音車でした。
    おそらくギヤのちょっとした具合で、音が大きくなっていたものと思われます。
    この区間は複線化でかなり様相を変えており、単線時代には、元荒川橋梁と武州線ガードは鋼製垳で、
    イコライザー台車はガツンガツン音を立てて走りました。
    あくまでも推測ですが、この録音の時にはマスコンの運転操作がHL的な操作と思われます。
    「その1」では、おそらくAL的な操作で運転されています。
    非力な3000系、東岩槻駅から武州線ガードを登るところまで、ずっとノッチを入れたまま走ることが
    ありました。ガードの急坂のため、非力な3000系はこの録音のように息切れ気味でした。
    デッカーがあえぎながら走った東武野田線、今は変わりました。
    岩槻駅直前の踏切は、懐かしいキュンキュン踏切です。もうこの頃は、キュンキュン踏切
    珍しかったです。   
 

                      東武3000系サウンドギャラリー 続きへ

                              3000系Top