最近まであった東武鉄道の硬券 
   
〜パスネット導入に伴って終焉を迎えた、東武鉄道における硬券一般使用〜
                                        
                                       kikotazima
                           平成12年5月31日を以って販売を終了した、東武鉄道の一般硬券
                                 

 ついこの間まで、都市部から首都圏まで普通に使われていた硬券ですが、いつの間にか殆ど姿を見なくなりました。
全国の国鉄線で使われていた、ピンクのB型券やブルーのA型券は馴染み深いものでした。
これに対し、東武鉄道の硬券といえば、山吹色で電車のセージュクリーム色に似た、ぱっとしない券でした。
しかし連絡券には青緑色のA型一般式が存在し、渋く、魅力的な券でした。
  かつては東武線のどの駅にもあった硬券。首都圏の国鉄線と同じく、都心に近い駅から次第に消えて行きました。ローカル駅では特急・急行券発券機の導入が遅れたため、多くのローカル駅では最近まで、通称〇急券(マルキュー券)と呼ばれる「北千住」および「浅草」ゆきの乗車券と特急・急行券のみ、平成14年3月31日まで細々と使用されていました。現在はそのマルキュー券も廃止され、東武は現在、硬券乗車券を使用していません。しかし、北千住駅の立席特急券と入場券が例外的に硬券で残存し、僅かに命脈を保っているのは嬉しい事です。
 マルキュー券だけでなく、最低料金の額面式券から長距離の一般式券、連絡券、往復券、入場券など、全ての券種を取り揃えている駅も最近までありました。このような駅は、最終的には観光客の多い日光鬼怒川地区のみとなり、東武日光、鬼怒川温泉、鬼怒川公園の3駅だけとなっていました。このほか、連絡乗車券と急行券を硬券で置いていた栃木駅が、例外的に存在していました。しかしながら、平成12年10月にパスネットが導入されることとなり、東武日光、鬼怒川温泉駅が同年春に自動改札化されるに及び、東武の硬券の宝庫は姿を消してゆきました。
 平成12年は東武の硬券にとって、140円券などの低額金額式券や浅草北千住ゆき以外の一般式券、連絡券、往復券など、大多数の様式の券が消え、硬券の一般使用が終了したという点で、一つの区切りとなる年でした。そんな中、遠くから様子を見ていた一人として、以下の記録を纏めました。

                            
                       東武日光駅  平成12年3月10日限
                       鬼怒川温泉駅  平成12年3月20日限
                       栃木駅 (JR東日本へ委託) 平成12年5月16日限
                       鬼怒川公園駅 平成12年5月31日限

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